街なかの生き物たち。身近な自然観察から自然保護と環境問題を考える環境情報サイト 東京都葛飾区亀有から発信

概要

概要

生き物自然環境を、私、Zacco platypusが失われる前に記録に残したいと考え、街なかの東京都葛飾区亀有を中心に、2007年7月から調査し、ウェブサイトで公開しているもの。街は次第に自然を失っていくが、せめていま見られるものを次世代に記録するため、調査し整理したものである。

葛飾区亀有周辺の自然環境の現状

葛飾区亀有は、昔は周囲に水田や工場がある都市郊外で、人里の生き物がたくさんいた。今の街はマンションが林立し、若い人がたくさん住み、生活は活気づいたが、生き物や自然とふれあう機会は非常に少なくなった。

ところが、街なかの路地ベランダ街路樹公園社寺林屋敷林河川(上空、水面、水際、土手)空き地親水公園ビオトープ(再生)など、残された都会の自然環境をよく見ると、考えていた以上に、いろいろな生き物がいることがわかった。

今回の調査で確認された植物は、街路樹など植栽したものも含めて、維管束植物約150種(2009年1月現在)、脊椎・無脊椎動物約100種を確認した。そのうち、ウェブでは、主に写真の撮影できた約4割を紹介している。

街なかの生物相の特徴としては、以下のことが挙げられる。

植物

  • 当然のことながら、街路樹など植栽された植物が多い。
  • 自生種では、帰化植物外来種などの占める割合が高い。
  • 植栽地、社寺林などの下生えは貧相だが、埋土種子による発生は思ったより見られる。
  • 春先に植栽地では、春植物が一斉に発芽伸長するが、5月頃には自治体により刈り取られてしまう。
  • 一方、自治体の保護により、生育を継続している種や植栽種もみられる(フジバカマ、ススキなど)。
  • 大きな木としては、公園ではケヤキが最も多く、社寺林ではこれにイチョウスダジイが加わる。
  • 樹木については、葛飾区、足立区より、所有者申請によって保護された樹種として、ケヤキイチョウが多かった。
  • 草本のシードバンクとしては、中川河川敷の土手草地が重要であることがわかった。
  • 特に、足立区中川の中川土手草地は、街なかで草っぱらが体験できる数少ない場所である。
  • 再生した水辺として、曳舟川親水公園葛西用水親水公園八か村落とし親水緑道古隅田川親水公園を調査したが、曳舟川親水公園のビオトープが最も植物の回帰状況が良好であった。これは、河川部分の両岸を自然土にしているか、石詰め護岸にしているかの差異であると考えられる。
  • 帰化植物では、最も広範に見られた種は、セイヨウタンポポであった
  • 危惧された曳舟川親水公園におけるオオフサモの繁茂については、2008年夏に葛飾区により除草されたが、切れ藻が残った状態であったので、また繁茂するかもしれない。
  • そのほか、危惧される外来種としては、ノアサガオの品種である園芸種チョウセンアサガオの植栽である。

動物

  • 昆虫類としては、調査者が昆虫の専門家でないため、不十分である。いわゆるタレント昆虫を中心の調査となった。全分野の昆虫類を含めればもっと種類は増えると考えられる。
  • ツマグロヒョウモンについては、2007年、2008年ともに、街なかで幼虫が確認され、発生が確認された。関東地方への定着は、そのほかの情報からみても確実と考えられる。
  • 両生類は、水環境が貧弱であるため、貧相であった。わずかにアズマヒキガエルとウシガエルが確認されたのみである。
  • アズマヒキガエルについては、葛飾区・足立区では確認事例が少ないが、今回の調査でも繁殖が確認された地点が1カ所、成体が確認されたのが1カ所であった。
  • -爬虫類は、予想よりも多く確認されたが、最も多く確認された種類は、ミシシッピアカミミガメであった。特に、葛西用水親水公園で多かった。
    • 在来種のクサガメは、放流種がわずか1カ所で確認されたのみであった。
    • 鳥類は、合計40種が確認された。全体に鳥類相は貧相であるが、冬季には冬鳥および漂鳥により種類が増加した。
    • 繁殖期を含め春〜秋に多く見られる鳥類は、スズメムクドリハシブトガラスドバトの4種であった。
    • 冬季に市街地で見られる代表的な鳥類としては、上述の留鳥に加え、メジロハクセキレイシジュウカラであった。
    • 哺乳類は、アブラコウモリクマネズミが確認された。アブラコウモリの確認場所は、想像していた以上に多く、足立区・葛飾区あわせて30カ所以上にのぼり、まだ市街地でも生息できる環境(住居環境、餌状況)が残っていることがわかった。
    • 一説に市街地では、アブラコウモリが現在増加中であるというものと関係があるかもしれない。
    • 魚類は、古隅田川を中心に9種が確認された。最も多く確認されたのは、放流されたコイと自然分布のモツゴである。
    • レッドリス絶滅危惧種メダカが、曳舟川古隅田川、八か村落で確認されているが、分布はすべて埼玉県・足立区境の花畑運河(中川)に由来する。このメダカの遺伝的在来性については、不明である(放流による他水系の遺伝グループである可能性が高いと私は考えている)。
    • また、資料では、中川で6目9科23種、綾瀬川で5目8科25種の魚類が確認されており、特に汽水性種が大半を占めている。魚類については、釣りをする人しか接しようがなく、また現在の河川では、護岸がカミソリ堤防や危険な状態で、手軽に採集できないことから、人々、特に子どもたちには馴染みようがない生物となってしまっている
    • その他、アメリカザリガニが親水公園では、多く確認された。要注意外来生物リストの種であるが、街なかの子どもたちには、良い遊び相手となっているので、容認したい

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